2014年3月18日火曜日

男につくすような女は嫌いだっていったよ

女 以前ならこういったよ、お前のつんつんしたところも好きだって。
男 うん、そりゃ……あの時はそういった。
女 いまは?
男 だからいまは、もっと好きだ。
女 ナベカマを並べて男につくすような女は嫌いだっていったよ。
男 ところがこっちの方がナベカマ並べて、お前に首ったけさ。
  ハタキを持って家の中を掃除している女の姿を見るくらいなら、いっそロクロ首の女を見る方がいいといったわ。
男 ああ。たしかにそういった。
女 でも今日からは、わたしもハタキをかけるわ、おナベやおカマも並べるわ。だからもっと抱いて! さあ行きましょう、わたしたちの家へ!
男 (呻く)おう!
     男は女を背中にのせる。
   ごうごうと音をたてて降りしきる花びら。
男 ううう……急に重くなったな。

女 わたしの重さがわかるのお前?

2014年3月17日月曜日

結局どっちかが好きだと、どっちかが妥協しなきゃいけない

入江洋佑さん(広島市民劇場大手町事務所)
先日入江洋佑さんを迎えて「『櫻の森の満開の下』の魅力を聞く会」が開催された。話しは演劇そのものの話しから、坂口安吾・『櫻の森の満開の下』、演劇の魅力にまで話しは及んだが、その中から一部を抽出してみた。

坂口安吾は、いつの間にか自分たちのまわりを取り囲んでいる、いろいろな約束事を裸にして考えてみたらどうか。人間って何だと言うことをいった人。

みんなが仲良くしたらいい、ただ、だんだん小さく割っていてみると、世界があって国があって県があって村があって家があって、お前と私と2人っきりになった時にそんなに融和できるのだろうか、本当に。

一方が一生懸命尽くす、一方が尽くされるということは、片っ方は妥協していることじゃないか。

この作品のテーマはこれなんですよ。

本当に大好きになった女に、自分が大好きな山を捨てて尽くすだけ尽くすんだけど、もう尽くしきれなくなって、それじゃ俺は山へ帰るという。

今度は女の方が都を捨ててついて行く。結局どっちかが好きだと、どっちかが妥協しなきゃいけない。

そういう事をするのが人間だとしたら、れで良いのかという、つらい問いかけなんです。
これをみると、本当に人間の最後には、大事にしなければならないものは何だと考えさせられる。

2014年3月12日水曜日

中国地域の公演日程 『櫻の森の満開の下』

4月8日(火)18:45 
倉敷市芸文館 
一般3,000円、大学生以下1,000円
(当日各+500円)
チケット問い合わせ
倉敷演劇鑑賞会Tel.086-424-6730

4月10日(木)19:00 
岡山市立市民文化ホール 
一般3,000円、大学生2,000円、高校生以下1,000円
(当日各+500円)
チケット問い合わせ
岡山市民劇場Tel.086-224-7121

4月12日(土)19:00 ・ 4月13日(日)14:00 
広島県民文化センター 
一般2,999円、高校生以下1,000円
チケット問い合わせ
広島市民劇場Tel.082-247-5433

*いずれも未就学児入場不可

ニューヨーク、ソール公演時の劇評 『櫻の森の満開の下』

Lost in Flurry of Cherries [Critique]
櫻の森の満開の下「劇評」

■New York
  The performances have a ritualistic physical intensity that suggests a fusion of martial arts and Japanese dance traditions, and a meditation on beauty and cruelty and the indifference of nature dramatized as a quasi-erotic fable. Kisetsu Mano, as the woman whose mane of purple hair clashes with her layers of finery, projects a fierce demonic edge.
 (Stephen Holdern, The New York Times 25 March, 1990)

  Director Hirowatari, who has been working against two modern Japanese theatrical styles: socialist realism and stanislavskian naturalism, pulls out the stops on ancient Japanese aesthetism. At every step, he contradicts the gruesomeness of the tale with the exaggerated elegance of his staging.
(Alisa Solomon, The Village Voice 27 March, 1990)

■Seoul
 The cherry blossoms which kept falling like snow, having overthrown the concept of the staging effect, led the whole audience to the space of mysterious experience.
(Kim Pan-oku, The East Asia News 17 October, 1991)

■ニュ-ヨ-ク公演 1990年3月11日~31日
祭儀的な身体の強烈さに日本の舞踊と武芸を混合させ、エロティックな寓話の形をとって、自然の美と残酷さと冷淡さへの瞑想を描いでいる謎めいたドラマ。真野季節は幾重にも重ねた美しい衣装と、紫の髪をたなびかせ、激しく残酷な鬼に変化する女を見事に演じた。
ステファン ホールデン「ニユーヨークタイムズ」1990年3月25日

社会主義リアリズムとスタニスラフスキー的自然主義という日本現代演劇の伝統に反逆しできた演出家広渡は、日本古来の審美主義に終止符を打っている。どの時点でもこの寓話の不気味さを舞台の誇張した優雅さで対比させる。
アリサ・ソレモン「ザ・ビレッジ ヴォイス」1990年3月27日

■ソウル公演 1991年10月4日~9日
終始一貫、雪のように降リ続ける桜の花びらは、舞台効果の概念を破り、劇場全体を不思議な体験の空間にみちびいていった。
キムパンオク 金芳玉「東亜日報」1991年10月17日


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 『櫻の森の満開の下』広島公演(東京演劇アンサンブル)

 坂口安吾=作  広渡常敏=脚本・演出  池辺晋一郎=音楽

 日時 2014年4月12日(土)19時開演
           13日(日)14時開演
 会場 広島県民文化センター (中区大手町一丁目)
 料金 2,999円(自由席)

2014年2月26日水曜日

お前はわたしの亭主を殺したくせに、自分の女房が殺せないのかえ?

女 (七人のうちの一人を指して)あの女を斬り殺しておくれ。
男 だってお前、殺さなくても女中だと思えばいいじゃないか。
女 お前はわたしの亭主を殺したくせに、自分の女房が殺せないのかえ? それでもお前はわたしを女房にするつもりなのかえ
男 (坤く)よし!
        男は跳びあがり、ダンビラを抜いて女を斬り殺す。
女 つぎは、この女よ!

2014年2月14日金曜日

広島市民劇場4月例会 無名塾『ロミオとジュリエット』の公演情報

広島市民劇場4月例会
『ロミオとジュリエット』ビラ
広島市民劇場4月例会
『ロミオとジュリエット』

●安佐南区民文化センター
4月3日(木)18:30開演 
4月4日(金)13:00開演
●アステールプラザ大ホール
4月5日(土)18:30開演 
4月6日(日)13:00開演

作/ウィリアム・シェイクスピア
訳/小田島雄志
演出/髙瀬久男
 
出演/
仲代達矢
西山知佐 菅原あき 長森雅人 松崎謙二
中山研 平井真軌 鎌倉太郎 進藤健太郎
川村進 江間直子 渡邉翔 井手麻渡
松浦唯 別所晋 吉田道広 鷹野梨恵子
広島市民劇場4月例会
『ロミオとジュリエット』ビラ裏面
松本秋人 飯野愛希子


スタッフ/
音楽/池辺晋一郎 装置/島次郎 
照明/沢田祐二 効果/八幡泰彦 
衣装/宮本宣子 擬闘/森岡隆見 
振付/新海絵理子 演出助手/須賀力 
舞台監督/泉智幸 協力/(株)仕事 
制作協力/無名塾

2014年2月8日土曜日

入江洋佑さんに『櫻の森の満開の下』の魅力を聞く会

入江洋佑さんを迎えて
『櫻の森の満開の下』の魅力を聞く会

海外8カ国9都市が求めた東京演劇アンサンブルの舞台の魅力

2月15日(土)
  10時30分から 広島市民劇場 安佐南事務所
     広島市安佐南区古市1丁目38-27-203
     TEL.082-877-4423
  14時00分から 広島市民劇場 大手町事務所
     広島市中区大手町2丁目6-15-3F
     TEL.082-247-5433

  参加無料
  *どなたでも参加できます。

《入江洋佑》
東京都出身。俳優座養成所三期生。1954年三期会を発足。創立メンバー。劇団代表。
ネットで見つけた映画『秘密』(1952年)のワンシーン。
物語の家族の次女(若尾文子)の友人役として江原達怡、
南田洋子等が出演。

 東京演劇アンサンブルの看板俳優であり、広渡常敏のよきパートナーとして、ともに劇団を支えてきた。
 代表作は、木下順二の『蛙昇天』『オットーと呼ばれる日本人』『コミューンの日々』『ガリレイの生涯』『グスコーブドリの伝記』『かもめ』こどもの芝居では、『走れメロス』『おんにょろ盛衰記』などの大きな役を数多くつとめる。
 映画の代表作では『赤線地帯』(溝口健二)、『春琴抄』(伊藤大輔)、『浮草物語』(小津安次郎)、『真白き富士の嶺』(佐伯幸三)などがある。

 また、『國語元年』『遠く天安門へ』、『ガラスの動物園』などの演出も手がけている。

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 『櫻の森の満開の下』広島公演(東京演劇アンサンブル)
 日時 2014年4月12日(土)19時開演
           13日(日)14時開演
 会場 広島県民文化センター (中区大手町一丁目)
 料金 2,999円(自由席)

2014年1月29日水曜日

役者の演技っていうのが戦争を拒否する

ルーマニア「シビウ国際演劇フェスティバル」『aplauze』誌掲載写真
戦争を拒否する技術ってないのか。平和利用というイヤな言葉がある。戦争の時開発された技術が平和的に利用される。
そうじゃなくて、戦争に役立たなくて平和を守り、人間の生活を豊かに刺激していく技術よね。
役者の演技っていうのが戦争を拒否する、そういう俳優技術ってないだろうかと思う訳ですよ。
非人間的な殺戮といいますかね。そういうことができない俳優術というものがないのかとー。
そういう仮説をかかげてあくせくやっていくというのがいいんじゃないかと思っている。
(2000年9月28日「ケンタウルスの会広島主催『おんにょろ盛衰記』公演」を前に行われた広渡さんの講演より)

2014年1月5日日曜日

おそろしいのは、人間の心のなかにひそんでいる魔性

女=真野季節
東京演劇アンサンブル公演
『櫻の森の満開の下』
劇は、終局ですさまじい桜吹雪をみせる。自然と人間との闘いである。この場合の自然はまた、人間の能力をはるかにこえた力、つまり超自然と人間との闘いにもつながっていく。山賊の男の相手になる美女は、その恐しい内面を、「鬼」として表現する。中世には鬼は、世にもおそろしいものとして実在したと考えられている。ほんとうは、実在しなかったかも知れない。が、おそろしいのは、人間の心のなかにひそんでいる魔性であり、その魔性をたくさんもっているものを鬼と指すと、ここに鬼が存在したというイメージが成立する。

日本の演劇様式は、古典として能・狂言・歌舞伎をもっている。その一方で、ヨーロッパ近代劇に影響された新劇がある。東京演劇アンサンブルは新劇の劇団の一つである。が、B・ブレヒトの作品の影響をつよくうけている。この延長でつくられた創作劇が、この『桜の森の満開の下』だといえる。
(「1990年公演パンフレット「イメージ豊かに人間の魔性を問う問題作」藤田洋・演劇評論家」より)
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 『櫻の森の満開の下』広島公演(東京演劇アンサンブル)
 日時 2014年4月12日(土)19時開演
           13日(日)14時開演
 会場 広島県民文化センター (中区大手町一丁目)
 料金 2,999円(自由席)

2013年12月23日月曜日

満開の桜の花の下に、人間がいなければ

生首2=町田聡子 生首3=漆戸英司
東京演劇アンサンブル公演『櫻の森の満開の下』
パッと咲いて、パッと散る、開花の寿命は短いが、短いがゆえに潔よい散りぎわが、日本人の生きざまを象徴している。桜の美しさは、まさに日本の美そのものである。坂口は、その桜の花の下に、人間がいなければ怖しい景色になるというべつの発想をもって、この説話をこしらえた。

山賊は、鈴鹿山に住みつき、おおぜいの女を妻にしている。最後にさらってきた美女の言うままに、まえの女房たちを次々に殺していく。都に出ては、やはり女の言う通りに、金銀財宝を奪うばかりではなく、首のコレクションをはじめる。女の魔性(鬼)のとりこになった山賊が、だんだん自分の所業に疑いをもちはじめる。
(「1990年公演パンフレット「イメージ豊かに人間の魔性を問う問題作」藤田洋・演劇評論家」より)
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 『櫻の森の満開の下』広島公演(東京演劇アンサンブル)
 日時 2014年4月12日(土)19時開演
           13日(日)14時開演
 会場 広島県民文化センター (中区大手町一丁目)
 料金 2,999円(自由席)