女 以前ならこういったよ、お前のつんつんしたところも好きだって。
男 うん、そりゃ……あの時はそういった。
女 いまは?
男 だからいまは、もっと好きだ。
女 ナベカマを並べて男につくすような女は嫌いだっていったよ。
男 ところがこっちの方がナベカマ並べて、お前に首ったけさ。
女 ハタキを持って家の中を掃除している女の姿を見るくらいなら、いっそロクロ首の女を見る方がいいといったわ。
男 ああ。たしかにそういった。
女 でも今日からは、わたしもハタキをかけるわ、おナベやおカマも並べるわ。だからもっと抱いて! さあ行きましょう、わたしたちの家へ!
男 (呻く)おう!
男は女を背中にのせる。
ごうごうと音をたてて降りしきる花びら。
男 ううう……急に重くなったな。ごうごうと音をたてて降りしきる花びら。
女 わたしの重さがわかるのお前?